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グローバル企業が Microsoft 365とActive Directoryの融合に より相乗効果を発揮

グローバル企業が Microsoft 365とActive Directoryの融合に より相乗効果を発揮
JTグループの一員であるJTインターナショナルは、 20年以上にわたり、海外と国内のたばこ事業を個別 のITチームと2つのIT環境、Directoryドメインおよび Microsoft 365のテナントで運営してきました。Quest の移行ソフトウェアソリューション、Questプロ フェッショナルサービス、およびQuest Migration-asa-Serviceチームの支援により、同社はMicrosoft 365 とActive Directoryを統合することで2つのIT環境を1つ に統合し、業務を効率化することができました。

課題

JTIは、スイスのジュネーブにグローバル本社を置 く国際的な大手たばこ/電子たばこ企業、JT Inc.の子 会社です。2020年、同社のIT部門は大きな課題に 直面しました。APAC、EMEA、北米の複数の言語と タイムゾーンにまたがる1つのグローバル環境に日 本の17,000人のエンドユーザを統合することで2つ の異なるIT環境を1つに統合する、テナント間移行プ ロジェクトです。しかも、これらすべてを、エンド ユーザのアクセスや生産性に悪影響を与えることな く実施する必要がありました。
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社内チームとMigration-as-a-Serviceチームを組み合わせることで、この長く複雑なプロセスをカバーするのに十分な専門知識とリソースを得ることができました。

Constantine Sulema氏 JTI、IDおよびコラボレーションソリューション、 リードアーキテクト
Tobacco

CaseStudyLabelSolutions

JTIは、スムーズで効率的な移行プロセスを実現す るためにQuestの移行ソリューションを導入しまし た。さらに、移行プロジェクトの複雑さを評価し た結果、JTIはQuestプロフェッショナルサービスと Migration-as-a-Service(MaaS)の利用も選択しま した。十分な調整を行ったグローバルチームが、 イベントごとにハンドオフを行い、Microsoft Teams の社内チャットですべてリアルタイムのコミュニ ケーションを取りながら、JTIが適切に移行できる ようサポートしました。

メリット

• ビジネスにおける国内外の協力と相乗効果の向上

• 1つのIT環境の一元管理によるセキュリティ体制の 強化

• 組織全体における標準へのコンプライアンスの 向上

• 将来の合理的な最適化のための基盤作り

• Microsoft 365ソーステナントの廃止による運用 コストの削減

JTIは大手の国際たばこ企業です。全世界で約46,000 人を雇用し、130以上の市場で製品を販売していま す。同社のポートフォリオには、Winston、Camel、 Mevius、LDなどの広く認知されたたばこ・紙巻きた ばこブランドのほか、電子たばこやその他の代替ニ コチン製品のような非可燃性技術を使用したリスク 低減製品(RRP)シリーズが含まれます。東京に拠 点を置く日本国内のたばこ事業部には、日本全国に5ヶ所の工場と複数の販売拠点があります。一方、スイスのジュネーブに本社があるJTグループの海外子会社、JTIは世界70ヶ国以上に展開しており、38の加工品およびたばこ関連の工場と8つの研究開発センターを有しています。

JTIの長年にわたる成長は、地域の多様性の拡大に大きく貢献してきました。JTI自体は、1999年にJTグループがR. J. Reynoldsの米国以外の全事業を買収した結果として設立され、そのグローバル展開は、さらなる吸収・合併により長年にわたって強化されてきました。

2つのIT環境を1つに統合する。

海外と日本国内におけるたばこ事業は20年以上にわたって独立して運営され、ITインフラ、ITチーム、また指揮命令系統も分離されていました。「クラウドへのサービスの移行を始めるにあたり、これを並行して進めました。」とJTIのIDおよびコラボレーションソリューションにおけるリードアーキテクト、Constantine Sulema氏は述べています。「JTIもJTも、それぞれ独自のMicrosoft 365テナントを作成していました。」

この2つのITインフラには相互接続ポイントがありましたが、企業全体の真の相互接続性には制限がありました。「JTIにもJTにも、独自の構造と指揮命令系統を持つIT組織がありました。」とSulema氏は説明します。「トップからの戦略的ガバナンスはありましたが、運営面ではこの2つの組織はほとんど独立していました。」

JTグループは、海外と日本国内におけるたばこ事業をさらに統合した、まったく新しい事業モデルの構築を検討しており、コラボレーションの促進が重要な要件となっていました。「選択肢を検討し始めたときに、JTIの方が環境が大規模かつ複雑であり、ビジネスアプリケーションの数が多く、対象地域も大幅に広いことがわかりました。」とSulema氏は語っています。「これらすべての要素を分析した結果、JTIのプラットフォーム上で環境を統合するのがベストだという結論に達しました。」

複雑な環境のため、まとめてユーザを移行するのに12ヶ月以上を要しました。

同社には、2つのIT環境を1つに統合することと、ユーザのワークステーションを移行することの2つの目標が同時にありました。さらに同社は、2つのオンプレミスADドメインを1つに統合することでActive Directoryを統合したいと考えていました。この移行プロジェクトが直面する固有の課題のため、JTIは段階的なアプローチを取ることが望ましいと判断し、まとめてユーザを移行するのに12ヶ月以上かけました。

なぜでしょうか? 多数の相互依存関係がある大規模で複雑な環境では、17,000のすべてのユーザアカウントに加えて、Teams、SharePoint、Power Platformなどのビジネスアプリケーションやその他のリソースをまとめて一度に移行することは事実上不可能です。これを実現するために、JTIはまとめてユーザを移行する必要がありました。「クロスプレミスアクセス、つまりクロステナントアクセスは、実はかなり大きな課題でした」とSulema氏は説明します。

2つの環境間にはあらゆる依存関係があるため、JTIは、Microsoftが提供する統合ツールや移行ツールを使用しても、この規模のプロジェクトではうまくいかないことに気付きました。「これを念頭に置いて、私たちはこの移行を促進できるツールセットを探し始めました。しかし、特殊な状況のため、既成の設定ではすべての課題を解決することはできず、カスタマイズが必要でした。」

プロフェッショナルサービスとMigration-as-a-Serviceの必要性。

カスタマイズされたソリューションに対するJTIのニーズが、同社がQuestとQuestプロフェッショナル・サービス・チームを選んだ理由の1つです。「コンサルタントチームは、私たちの要求を満たす設定を構築するために素晴らしい仕事をしてくれました。」とSulema氏は説明します。「複数のワークロードを同時に移行することの複雑さについては述べた通りで、この複雑さに対する課題を克服する設定の構築にほとんどの時間を費やしました。」

Questプロフェッショナル・サービス・グループはJTIと協力し、Quest Migrator Pro for Active Directory、メールボックスとTeams用のQuest On Demand Migration、Quest On Demand Migration for OneDriveなどのQuestツールで構成されるソリューションを構築しました。この移行プロジェクトでは、Questのソリューションに加えて、Microsoftが提供するツールやサードパーティ製ツールを使用して特定のワークロードを移行できました。

設計プロセスには、約7ヶ月を要しました。チームはその後6ヶ月間、問題なく機能するまでテストと検証を繰り返しました。移行の3ヶ月前、同社は大量移行を開始する前に少量のバッチを試験的に移行しました。

あらゆる大規模な移行と同様に、その行程には小さな落とし穴がありました。「例えば、ワークステーションの特定の設定が原因で移行プロセスに問題が発生し、プロセスが正常に完了しないことがあります。」とSulema氏は言います。「この場合、ロールバックするか、移行を完了して問題を修正する方法を見付ける必要があります。もちろん、私たちの背後には(Questの)サポート組織全体があり、移行後のインシデントに対処する手助けをしてくれました。」

JTIはこの時、移行を自社で行うのではなく、QuestのMigration-as-a-Service(MaaS)を利用することに決めました。社内チームだけに頼るのではなく、Migration-as-a-Serviceを利用した理由の1つは、関連する移行経験を持つチームを頼れることにありました。さらにJTIは、異なるタイムゾーンで利用可能なリソースを用意する必要がありました。「タイムゾーンを考えると、社内チームで対応する方 がはるかに複雑です。」とSulema氏は付け加えます。「社内チームとMigration-as-a-Serviceチームを組み合わせることで、この長く複雑なプロセスをカバーするのに十分な専門知識とリソースを得ることができました。」

Migration-as-a-Service(MaaS)は、十分に調整され、グローバルに管理されたサービスチームによって実行され、すべてのステップでハンドオフ機能を使用して移行を正常に実行できました。すべてのコミュニケーションは、Microsoft Teamsの社内チャットを通じてリアルタイムで行われました。

最適化され、合理化されたITオペレーションが 生み出すチーム間の優れた相乗効果。

設計から実行まで、移行プロジェクト全体は30ヶ月以上に及びました。「仕事の量や影響という点では非常に大きなプロジェクトでしたが、やりがいのあるものでした。」とSulema氏は付け加えます。「現在、より一層スムーズに運用とコラボレーションが行えるようになり、ビジネスアプリケーションのさらなる統合と環境の最適化のための基盤を構築できました。」

移行プロジェクトの成功を左右する重要な指標の1つは完全性でした。「すべてのリソース、ユーザアカウント、ワークステーションの移行を追跡し、すべてを移行したことを確認しました。」とSulema氏は説明します。「移行が完了すると、Microsoft 365のソーステナントを効果的に廃止することができました。」

移行プロジェクトの成果には、JTIのITチームが満足しただけでなく、エンドユーザも満足しています。「完全にシームレスなプロセスではありませんでしたが、(エンドユーザからの)フィードバックは非常に好意的でした。」とSulema氏は説明します。「もちろん、特に最初の頃は苦労しました。」

しかし、移行後のエンドユーザからのフィードバックによると、日本国内と海外とのやり取りがビジネスレベルで大幅に改善されたといいます。「現在、私たちは1つの共通のグローバル環境で作業しています。このため、ビジネスプロセスとアプリケーションを統合し、組織全体のセキュリティ体制と標準へのコンプライアンスを向上させることができます。」

教訓

Sulema氏と彼のチームが学んだことの1つは、環境の細分化が進むほど、企業は複雑さとリスクに直面しなければならないということです。しかし現在、JTIはビジネスをサポートするグローバルな環境を手に入れ、ITチームは十分なセキュリティレベルを確保しながら、その環境をより簡単に維持できるようになりました。「セキュリティ標準とポリシーが環境全体に一貫した形で適用されていることを保証できる能力が向上しました。」とSulema氏は言います。

「移行によって2つの個別のIT環境を維持するコストは削減されましたが、移行プロジェクト自体はコスト重視のものではありませんでした。」とSulema氏は述べています。「むしろ、これは、ビジネスアプリケーションを最適化して合理化し、チーム間の相乗効果を高める労力の結果です。このプロジェクトの全体的な目的は、コラボレーションを推進し、国内外のたばこ事業を統合する能力を向上させることでした。」と彼は付け加えます。「そして、ビジネスパートナーから伺ったことによると、我々はそれを無事に実現できているようです。」

さらに個人的な見解では、Sulema氏は、この移行プロジェクトを通じて会社の幹部によるITチームの評価が高まっていることも認識しています。「もちろん、プロジェクトが成功すればそれを誇りに思うべきですが、同時に仕事仲間との関係が向上すれば、やりがいも倍増します。」とSulema氏は締めくくります。「そしてこれは、想定されたもの、そしてそれ以上のものを実現できた非常に良い例です。」

Questについて

Questはますます複雑になるIT環境において、新たなテクノロジーのメリットを実現にするソフトウェアソリューションを提供します。データベースとシステムの管理からActive DirectoryとMicrosoft 365の移行および管理、そしてサイバー・セキュリティ・レジリエンスまで、Questは次のIT課題を今すぐ解決できるよう、お客様をサポートします。Quest Softwareは今「次」に備えます。